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橋下徹知事による大阪府の博物館施設「見直し」に反対します。皆様の賛同をお願いいたします。
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 8月3日のシンポジウム内容が9月4日の朝日新聞夕刊、9月5日の毎日新聞夕刊に掲載されました。

 
 朝日新聞では存続には学識者や府民らが「サポータ」として博物館を支える仕組みをどう作るかが今後の課題としてあげています。

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 毎日新聞は、実物の持つ力とその力の伝え方を博物館のもつ可能性にあげています。







 新たな博物館像をめざして、8月3日のシンポジウムでアンケート調査を行いました。アンケートは、博物館を次の3つのタイプから選んでもらい、提言やアイデアもあわせて記入していただきました。
 遺跡型(遺跡での遺物の出土状況やそこからの実物の出土品をそのまま見せる。そのため解説文が多い) 例…泉北考古資料館
 テーマ型(解説文を少なくして展示品を物語で並べて、その背景なども伝えるために模型やレプリカ、模造品が含まれることが多い) 例…弥生文化博物館
 
体験型(展示品に触れ、動かしたり、展示空間に身をおいたりすることで五感を通じて現象を感じて思考する)

博物館のタイプ A-遺跡型(7) B-テーマ型(8) C-体験型(8) 複数/無選択(13)
10代
20代
30代
40代
50代
60代
70代以上
不明
合計 13 11 13

                    ※表の( )内はコメント記入数をさす

その結果、次のような傾向が得られました。
・博物館ややAが少ないといえども、全体的にほぼ均等に分散している。
・Aに関しては30代以下の若者の支持が多い。
・Bに関しては圧倒的に30代以下の若者の支持が少ない。
・若者はA支持とC支持に二分している。
・コメントのなかに、A・B・Cどれかではなく、いろいろあってよいというものが多かった(10名)。ただ、その中にさらに、それぞれ館のおかれた状況や特性によって機能分化した館があればよいという意見と、それぞれの館が複数の側面を備え、さまざまな機能をとりいれるべきという意見と2タイプあった。
・市町村、学校教育、情報ネットワーク、など様々な側面において連携を強化するべきであるという提案が多くみられた。
・Cの体験型については、好ましいとしながらも、五感をつかったり体を動かすのは歴史系の博物館にはそぐわないのではないかという声が複数あった。     

所見
 選択の統計をみても、コメントをみても、利用者側のニーズが多様化していることがあきらかである。様々な施設やシステムとの連携を求める声も、その反映であろう。その一方で、年齢層の比較的高い人の意見(特に男性)にはまとまりがあり、現状で慣れ親しんだBのテーマ型博物館が最も好ましい、Cの体験型は歴史系にはなじまない、といった保守的な意見も多かった。おそらくこの層が、現状の博物館においての安定的な利用者層なのであろう。しかしながらその他の利用者層においては、各々のニーズが放射状に広がっている。

コメント

・市町村ともっと連携(泉北)10代女
・立地、資料の豊富さをもっと活かして規模の大きな企画を、存在をもっとPR(泉北)20代男
・レプリカや模造品だと本物じゃないのかとがっかりする。本物をたくさんみたい。(20代男)
・坪井先生がおっしゃられているのは、調査活動を行う主体となることで国からも補助金や支援をうけられる場としての博物館の役割だと思います。(20代女)
・個人的にはありのままのカタログがいい。公営博物館ではそれはだめでしょうが。(30代女)
・感動を伝えるためには継続して調査担当者が現地で活用していく必要があるのでは(30代男)
・専門的な知識やよほどの関心がないと見ようと言う気持ちが起こらない。私にはほとんど楽しめません(30代男)
・現在の時点からいきなり博物館の中にはいって弥生や古墳時代にタイムスリップしたとして、何ら時間的な連続性が感じられない。見せるならいかに今の時点まで変遷したのかを見せる必要があると思う。(30代男)
・できるだけ多く、ガイダンス施設としての規模でもあることが望ましい(40代男)
・基本的にはこの形であると思う(60代男)
・その土地で実物を見る感動インパクト。カビなど保存面には問題。一度見れば十分(不明男)
・歴史全体の中での遺跡の位置づけを明確にわかりやすくしてほしい。入門者用に携帯用の解説があるとよい。(不明)

・池上の未整理資料等を館主導で整理・研究すべき(弥生)20代男
・市町村ともっと連携(弥生)20代男
・何を伝えるのか内容に寄って、税金を払ってもいいと府民を納得されることが必要。府民に対して歴史を教えることが望ましいという価値財的なアプローチはパターナリズムだという批判に対して反論できない(20代男)
・いろいろ想像できることは楽しい。レプリカやジオラマが多くても興味がもてないことも多く、どうなのかなあとおもっています(30代男)
・弥生・近つのような細分化よりも本来は考古博として大きい館が1つあることが望ましい。現状の弥生・近つはAとBの中間にならざるをえないが通史的博物館も必要では?(40代男)
・ストーリー性がある。方法によっては楽しく伝えられる。しかしその復元、映像が正しいとは限らない。研究とともに変化。テーマにとらわれ歴史の連続性、広範囲な見方にかける(不明男)
・全体の流れの中のテーマの位置づけにも重点を置いてほしい。今までわかってることも重要だがまだわかっていないことも明示してほしい(不明)

・利用者に関心をもってもらうという点からすればこれが最も効果的だが、これだけでは充分でない。択一でなく各方法の良い点・悪い点を把握した上でより効果的な方法を考えるべき(20代男)
・歴史系では実物資料重視のスタンスが中心のように感じるが、現在の博物館の危機的状況を鑑みると利用者ニーズがもっと重視されるべき。ただ、「ハンズ・オン」においても物事や現象の本質をどう考えればよいかわからなかった。旭山はプログラムや展示の柱がしっかりしているというお話だったが、この柱がしっかりしていないと文化施設ではなくなってしまうのではないか(30代男)
・五感は大切だと思います。なるほどと思えることがあると印象にのこる(30代男)
・土器は割れるもの、完形品でも触らせればよい、仮に割ってしまった人が居てもその日とは大切さを身にしみるはず。(30代男)
・理想はCなのですが、考古学の専門性を市民に解説ということを重視すればBも必要。子ども達のための楽しい体験はCだが、博物館本来(旧来)の使命から言えばBであろう(40代男)
・学校や会館施設などへの出張で対応できる?またA・Bの館で付属的機能として。(40代男)
・一番インパクトがあるが歴史系は五感がつかいにくい。単なる面白い体験で終わることが多く学習にいたらない(不明男)
・子どもや入門者にはよいが、時間なく手早く見たい人はこまるので・・・(不明)

提言
・若い人も興味が持てるようにできればよい。講演などで触れた史跡などについて所在地を紹介するのはよい。(10代女)
・教育現場との連携、社会科教育における博物館の活用。勧告の遺跡公園はこどもであふれかえっていたので参考にできれば(20代男)
・どれが一番とか選ぶことはできないのではないか?いろいろなアプローチをあわせることで広くの人にアピールすることができる。高校生離れの対策は、幼い時からの刷り込みしかないと思う。(20代女)
・いろいろな活動も大切だが展示を魅力的なものに!遺物の展示、遺跡の紹介だけの展示、正直面白い展示がどれだけありますか?学芸員の独りよがりをなくさなければ何もはじまらないと思います(30代不明)
・全てにおいて個性があるもので、好ましいか好ましくないとかはない。博物館の実体に会わせた個性をがんばって貫く必要がある。教員とともに、高校歴史教育と博物館展示、大学側の教育、入試とのリンクを目的に研究会を開く必要があるとおもう。たいていの高校教員は古代~近世史を先行していた人たちが多く、縄文~古墳の授業は極めて概念的になり、いきいきとしたイメージが伝わっていない。できれば高校教育と考古系博物館がもっと緊密な関係をつくればいいとおもう。(30代男)
・社会のニーズもいろいろなので、博物館もいろいろあっていい(30代女)
・もっと企業や個人からも出資をお願いするといい(30代女)
・最近体験イベントを行う博物館が多いが、必ずしもその場所で行う必要のないイベントをしているところがめだつ。(古代人の衣装、勾玉つくりなど)それよりその場所でしか見られないものを展示してくれるほうがよいと思う。(30代女)
・A~Cともにそれぞれの場所に作られた意味をしっかり意義づける、そこを訪ねて学ぶ動機づけが必要(30代男)
・A・B・Cとも博物館の規模や立地などによってありえるものであり、どれがよいかは一概には言えないのでは。ただし情報発信の強化が必要(調査研究のベースのもとで)(30代男)
・4月に弥生博に行ったが、立派な常設展より手作り感あふれシンプルな問いに答えてくれる企画展がずっと面白かった.身構えず親しみがもて、うけいれてくれる雰囲気がよかった。来た一が「自分が大事にされている」と感じられるような博物館であってほしい(30代男)
・A・B・Cそれぞれに特色があっておもしろいので各博物館の創意工夫が今後必要と思う(40代不明)
・強いて挙げればBをという感じ。いろんなタイプの館があって相互に個性を発揮し合う形が好ましいと思う。利用者としてもその時々の目的に応じて使い分けできる(40代男) 
・Bをもっとも好ましいとしたのはテーマ型をどだいにして今度はどこへ行こうと選択できるガイダンスの場として。小中学生の体験学習にはC、もう少し年齢が高く専門的な内容も学びたい人にはAがみているという流れを重視してはどうか。宮崎の西都原、群馬のかみつけの里が史跡公園全体を活用してこの三つの要素がうまくくみあわさっている。また学芸員養成で集客という視点を重視すべき。観光系の大学学部が関西でふえているので協力もあおぐベき。橿考研のイワミンのような親しまれるキャラクターをつくり、博物館をなくさないための世論作りに活用すべき(40代男)
・どれか一つでなくすべての要素を実現できることが望ましい。現況では近つ弥生の施設をフルに利用し、両館をB→Aへ近づける。ただし近つでは一須賀だけでなく古市も視野にいれたガイダンスとして。弥生でも四ツ池なども積極的にとりあげる。(40代男)
・全てに特化することなく、博物館の立地や目的に応じてバランスよく諸機能を取り入れた博物館が望ましいと思います。実物がただ並んでいるだけではたいくつで、テーマ物語性は欲しいが物語性のあるのはストーリーがわかるとそれでおしまいとなる。体験型博物館はあくまでも博物館の一部でそれがすべてとなるとテーマパーク(遊園地)とかわらなないのでは?博物館を訪れるひとは様々でニーズも多用で、複数の施設を設置して対応できないなら、一つの博物館に諸機能を取り入れるべき(40代男)
・(展示品)解説文がわかりやすいのでBはまちがっているし、まったくりかいしていないちゅうしょうてきなひなんをするな!!(40代不明)
・人材育成こそが博物館の実力と価値をたかめ、地域に貢献する。目先の入場者や収入に惑わされず学芸員の育成に力を入れてほしい(50代男)
・A・B・Cのミックスがよい。多様な博物館をめざす。(50代男)
・3つにわけることは可としても、どれがよいかということで意味があるのでしょうか?弥生があってそばに学習館があるのでそれぞれがよいのではないかとかんがえる(50代男)
・A・B・Cいろいろな博物館があったらいいとおもう(50代女)
・染川さんのは勉強になりました・・・(60代男)
・A・B・Cと質が異なるので同列では比較し難い。自分の好みで○を付けた(C)がいろいろあっていいと思う。(60代男)
・上記の回答(Bを選んでいる)は展示に限っての回答です。最も親しみやすく入りやすいから。提言アイデアについては沢山ありますが今日の資料、特に「大阪維新プログラム」に多くの示唆があるようなので改めて提出したい。(60代男)
・近つ飛鳥の仁徳陵復原模型はすばらしいと感じるが、大規模である割には得るものが少ない。広いスペースをつかっているが今ではもったいないという感じ。より感動や知識が得られる展示に転換していく方がよいと思う。(70代男)
・博物館存続のためのご努力に感謝します(80代男)
・もっと博物館の存在をアピールしたらいい(不明女)
・各々に一長一短あるがどれも好ましくない、マニアしかこない。(不明男)
・学生と専門家のみを対象としているような施設が多い。こんなでは府民の理解がえられない。誰のための博物館?全国で教えられるテキストに難波宮、近つ飛鳥をもうすこし盛り込まれるように働きかけを(不明)

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Rg
明日の博物館シンポ
南海岸和田駅徒歩西へ10分の岸和田市中央公民館(会場℡072-423-9615)駐車場多少あり、で「シンポジューム博物館の舞台裏」が13時受付開始、13時30分から15時45分にかけて開催されます。
 パネラーは西川寿勝(大阪府教育委員会)清家章(高知大学)、私です。
 定員100名先着で当日受付、問い合わせは072-439-5481の上田進さんまで。
 以下のブログでも案内しています。
 http://blogs.yahoo.co.jp/zenikinnyama/54910656.html


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